Project

院内美術館構想
お見舞いに持参した花を病院に持ち込めない…

それは1枚の花の写真からはじまりました。

増浦行仁氏の会社のスタッフの方が入院した時のこと
お見舞いに花を贈ろうとしたところ、病室へ生花を持ち込むことができませんでした。
「生花がダメだと知らなくて、どうしようかと悩んだ末に花の写真を贈る事にしました。私は写真家ですから、
写真で何かを表現する事が仕事。お見舞いの気持ちを花の写真に込めて伝えようと思ったんです。」
それが、最初のFlowers(フラワーズ)が誕生した瞬間。 増浦氏の好きなカラーの花をおさめたフレームは病室を明るく彩り、当人だけではなく同室の方の心にも、あたたかな花を咲かせました。この経験をきっかけに、病室で患者がやすらげることに写真で貢献できないかと考え始めた事が院内美術館構想のきっかけでした。
現在ではFlowers(フラワーズ)のみならず増浦氏の他のシリーズ作品の展示も行われ、多くの病院・診療所から好評を得ています。

増浦氏が提案する院内美術館構想とは

  • 1. 病院・診療所内にギャラリースペースを。

    大きな病院であればギャラリーとして使用できる空間もあるかもしれません。入院中の患者さんが散歩がてらに足を運べる空間にアートギャラリーをつくってはいかがでしょうか。もちろん廊下やホールなど、あらゆるスペースがギャラリーに様変わりします。

  • 2. 待合室・診察室・病室にアート作品を。

    玄関ホールやエレベーターホール、病室に1部屋1点づつでも可能です。小さな診療所であれば、待合室や診察室に1点飾ってあるだけでも部屋は華やぎ、患者さんだけでなく、そこで働くすべての人の気持ちがなごむでしょう。

  • 3. 痛い・つらい・冷たいイメージを変える。

    病院の「痛い」「つらい」「冷たい」と言うイメージを変え、「リラックス」「キレイ」「優しい」気持ちになれる場所というイメージを持ってもらえ、細かい所に気の届く病院として、差別化にもなるでしょう。近年のアートに関する研究でもアート鑑賞は痛みを和らげたり、治癒増進効果があるとのエビデンスが発表されています。

  • 4. カラダだけでなくココロから癒される

    病は気から。昔から言われ続けてきました。いまや現代医療においても常識になりましたが、ココロの働きが健康にあたえる効用を思えば、患者さんのプラスになる病院環境でホスピタリティをレベルアップしてみてはいかがでしょうか。

  • 5. 院内感染対策としても有効です

    最近、とくに新型コロナ・パンデミック依頼、お見舞いで生花の持ち込みを禁止している病院も増えてきました。花瓶の水などに感染症の原因となる病原体が繁殖しやすいからです。また、よく見かける油絵も問題があります。絵面に筆むらの凹凸がありますからホコリが溜まりやすく、不衛生になりがちだからです。その点、写真は額装でガラスケース(またはアクリクケース)に覆われていますので、ホコリも溜まりにくく掃除も簡単です。